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    旬の魚と、その魚にまつわる薀蓄をご紹介します!

    「タラバガニは“カニ”の仲間ではない?!」
    “キングクラブ”とも呼ばれカニの代表格として人気のタラバガニですが、実は分類上はヤドカリに近い種です。ハサミ以外の脚が、ズワイガニなどは8本なのに対し、タラバガニは6本しかありません。弾力がある脚の身肉は焼いたり、しゃぶしゃぶにしても絶品の美味しさ。

    「おいしい順は、シロ、アカ、キ」
    京都では、‘グジ’の名でおなじみのアマダイは、秋から冬に旬を迎えます。タイの仲間ではないのに、名前にタイがつく「あやかりタイ」ですが、タイをしのぐ高級魚です。一般的にシロアマダイ、アカアマダイ、キアマダイの順においしいといわれています。
    ※写真はアカアマダイです。

    「“柳”の“葉”から生まれた魚?!」
    シシャモは漢字で“柳葉魚”と書きますが、これは柳の葉を神様がシシャモに変えたというアイヌの伝説に由来します。定番の干物は絶品で、とくに子持ちシシャモが人気。一般的にスーパーや居酒屋などで見かけるシシャモは、じつはノルウェーなどで獲れるカペリン(カラフトシシャモ)。国産のホンシシャモは北海道の太平洋沿岸にしか生息しない日本固有の魚で、近年、水揚げ量が激減しています。

    「日本の秋の訪れ“夕空の 土星に秋刀魚 焼く匂ひ”」
    サンマは日本の秋に欠かせない魚で、写生派の俳人 川端茅舎(ぼうしゃ)もサンマを焼く情景を詠んでいます。そのおいしさは格別で、旬をはずした生のものより、旬の冷凍ものの方が味がよいともいわれています。100%天然、すべてが国産と今どき珍しい魚で、さらに小売価格を左右するサンマの水揚げ量は毎年大きな話題となっています。

    「調理法によっては鯛にも勝るおいしさ?!」
    コッパ、ハクラ、セイゴ、フッコ、スズキと成長により呼び名が変わる出世魚スズキは、夏が旬の魚。この時期のスズキは、身に弾力があり、風味もよくなります。特に‘洗い’は格別で、「鯛(タイ)もかなわぬ鱸(スズキ)の洗い」ということわざでも知られるほどです。

    「日本初のキャッチコピー“土用の丑の日にうなぎ”」
    夏の土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は、夏場の売り上げ不振に悩むウナギ屋に相談された蘭学者・平賀源内が‘丑の日に「う」のつくものを食べると夏負けしない’という意味で宣伝したことから広まったといわれています。けれどももっとも脂がのるのは、実は冬。ただウナギはビタミンがたっぷりなので夏バテ予防にはぴったり。

    「夏の到来を告げる“梅雨イサキ”」
    年間を通して比較的味が落ちないイサキは、産卵期の梅雨から夏が特においしく、この時季のイサキを“梅雨イサキ”または“麦わらイサキ”と呼びます。刺身・焼き魚・唐揚げなど、料理法を選ばずおいしいイサキですが、“カジヤゴロシ”という別名も持ち、その昔あまりに硬いイサキの骨が鍛冶屋の喉にささり亡くなったことから名付けられたといわれています。
    「‘初ガツオ’に‘戻りガツオ’」
    春から初夏にかけて獲れる初ガツオは、江戸っ子に特に愛され、「目には青葉 やまほととぎす 初鰹」という俳句も有名です。カツオは、年に二度旬がおとずれ、春から初夏のものを‘初ガツオ’、秋のものを‘戻りガツオ’と呼びます。これは、寒流・暖流に囲まれた日本ならではの特徴で、前者は黒潮に乗って北上し、後者は親潮に乗って南下します。
    「“ヒメサザエ”に“丸腰サザエ”」
    野趣に富む特徴的なサザエの角は、荒い海で育ったものに多く、“ヒメサザエ”と呼ばれる若い小ぶりなサザエや、波が荒くない内湾で育った “丸腰サザエ”は、角が短いか、無いといわれています。
    殻ごと焼く“サザエの壺焼き”は、磯の香りとワタのほろ苦いうま味・コリコリとした食感が味わえます。
    「日本の春の訪れを告げる“桜鯛”」
    姿の美しさと味の美味しさから、古くから日本人に愛され、「おめでたい」魚として祝いごとにも欠かせないマダイ。産卵期である桜の花が咲くころに旬を迎え、婚姻色(こんいんしょく)といわれる桜色に体色が変わることから、“桜鯛”や“花見鯛”とも呼ばれ珍重されています。
    「テッポウの由来はフグの毒」
    毒にあたるとすぐに死ぬことから「テッポウ」と呼ばれることもあるフグは、刺身を「てっさ」、鍋を「てっちり」と呼びます。高たんぱく、低脂肪の身はかたく締まっているため、てっさは皿の模様が透けるくらいの薄造りにして、歯ごたえとうま味を愉しんでいただきます。
    「マグロはサバの仲間」
    魚はそれぞれが目(もく)・科・属などに分類されており、刺身や寿司ネタの王様とされるマグロは、なじみのある「サバ」科。サバ科の仲間は多く、サワラ・カツオなども。海流に乗って回遊して過ごす「回遊魚」が多いのも特徴です。