
立秋
「洗い」が絶品。味と風格の夏魚
洗いや刺身のほかにも、夏のスズキは滑らかな舌触りをもち、かつクセがないため和洋中どんな料理にも合う。塩焼きやみそ焼きなどの焼き物、蒸し物、ムニエルなどにしてもおいしい。
夏の白身魚としては、タイやヒラメをもしのぐ味をもつスズキ。
暑い季節に脂がのると、昔から「土用に食えばお灸より効く」とも「絵に描いてなめても薬になる」とも語られた。事実、ビタミンA、ビタミンEのほかカリウムや鉄が含まれ、疲労回復や動脈硬化、骨粗しょう症などの予防にもいいといわれる。
また、夏のスズキの江戸料理のなかに、そうめんをつかった「鱸麺」というのもあり、やはりスズキは夏に似合う魚なのだ。
①オニオコゼ、②キジハタ、④マゴチのいずれも夏の白身魚。