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    超難関の江戸検1級保有者。全国各地の地魚を求めたり、珍味づくりもする大橋さんは江戸と魚をこよなく愛する粋人。
    第4回2級(中級)でこの度全国1位100点満点で合格された大橋さん(71歳)にお話を伺いました。

    -ととけんを受検したきっかけは?

    私は江戸文化歴史検定1級を取得していて、毎月江戸検の合格者たちで集まって勉強会をしています。勉強会ではそれぞれが勉強してきた知識について発表を行うのですが、武家社会を好む人が多いなか、私はもっぱら『衣食住』です。なかでも庶民の『衣』と『食』。その発表を聞いた主催者の方から『ととけん』を紹介してもらいました。
    江戸時代の魚文化については、「守貞謾稿(もりさだまんこう)」や「日本山海名産図会(にほんさんかいめいさんずえ)などの「魚類」から学びました。


    -旅先で地元の魚屋に出向き地魚を仕入れ、珍味までつくる
    …魚のおいしさをとことん研究していらっしゃいます。


    -以前から魚が好きでした?
    子どもの頃から魚や珍味が好きでした。食道楽だった祖父の影響で、お正月はコノワタを食べるような少し変わった家庭、食卓に珍味が登場することも多かったです。
    大人になってからも、魚料理を食べに行くのが好きでした。お店では、カウンターに座って板前さんが料理をしているのを見るのが好きです。板前さんに料理の感想を伝えたり、質問してみると、おもしろい情報を教えてもらうことができます。有名な頑固おやじと仲良くなって驚かれたこともありますし、帰り際に御主人に「出汁をとるならこれくらい使わないと」といわれ、伊勢海老の頭を大量にもらったこともあります。
    定年してからは、食べ歩きをして得た知識を活かして料理をする機会が増えました。私は、よく旅をしますが必ず1ヵ所に2泊して、現地の魚屋を訪れます。その土地でしか獲れない魚を仕入れて、料理をするのが好きです。カラスミや、コノワタ、(上手く出来ないが)クチコも自分で作ります。


    ―好きな魚を教えてください。
    魚はなんでも好きなので、選ぶのは難しいですね。
    しいて言うなら、月に4回は訪れる『角上魚類で出会う、旬のめずらしい魚』。

    ―これまでに食べて美味しかった魚料理を教えてください。
    脂の抜けた春先の魚を使った干物がおいしいです。中でもおすすめしたいのはこの4つです。
    ・金沢で『イナダ』と呼ばれる春先に獲れるブリの干物。半身で1万5000円ほどする高級品ですが、鰹節のように硬く、これを包丁で削ってそのまま食べます。
    ・金沢の真鱈の干(ひ)ダラ。私はノコギリで切って、炙って熱湯で塩抜きしたものをほぐしていただきます。
    ・高知の一本釣りの土佐ウルメの干物
    ・南伊豆で食べた針子(秋刀魚の子ども)の干物も安くて旨い

    ととけんから普段の生活に役に立つ情報を得て、魚との関わりをひろげています。

    ―今回ととけんを受けられてどうでしたか?
    ととけんは普段の生活をする中で、とても役に立つ、勉強になると思いました。旬、料理法、死後硬直時間、三倍体など。魚好きだけど、意外と知らないことがあると感じました。ととけんのガイドブックで『イシモチの刺身がおいしい』と書いてあり、いつか食べたいと思っていたところ、偶然、品川の飲み屋で見つけたときは、とてもうれしかったです。100問60分は考えている暇がなく、厳しかったけど。

    ―100点満点で合格されましたが、どのように勉強されました?
    魚の便利帳(2種類)を3回くらい読みました。地元の魚と珍味を探して旅をするのが好きなので、旅先で得た知識をガイドブックに書き込みました。魚の漢字は、もともと寿司屋の湯飲みを見るのが好きでしたが、インターネットで魚の漢字一覧を調べたりもしました。偶然3日前に、インターネット上で『海鞘』の漢字を見ていたため、解けた問題もあります。

    ―今後の受検者にメッセージをお願いします。
    みんなで魚好きの輪をひろげましょう。もっと色々な魚を食べてみよう。せっかく魚について覚えたら、自分で工夫して、料理してみると楽しいですよ。